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「闇の影の刃」
大神

鍛錬のお話

蒼作


「闇の影の刃」

 

 

鍛錬所。

男が一人、刀を振っている。

今は、夜中。明かりも乏しい暗闇で、一点を見据え静かに力強く。

「――っぉ!」

 

ダンッ――!

 

不意に踏み込み。

袈裟懸けに刃を振り下ろしたかと思えば、手首を返し同じ軌道を逆に刃が走る。

更に一歩踏み込み、刀を上段へと振り上げ斬り下ろす。刃は床に付くか付かないかのギリギリで停止。

 

キン――

 

刃が翻り、左手で振るった刃が斜に後方へと駆け上がる。そして、刃を振るう勢いを利用し踏み出した脚を後方に引きながら身体を反転後方へと向き直り、また上段へ振り上げ斬り下ろす。

刃は床スレスレで静止。動きも止まった。

止まった事で、どっと溢れ出る汗がボタボタと床に落ちて染みを作る。

「―――っはぁ」

息を吐き出しながら、身体を起こし服の胸元を掴んで汗を拭う。

「駄目だなぁ、もう少し鍛錬を増やさないと…」

大神はそう呟くと、抜き身の刀を手にしたまま、鞘の元へと歩む。

鞘を掴み静かに刃を鞘へと収めれば、大きく息を吐く。

「シャワーでも浴びないとな」

汗に濡れた身体を見下ろし苦笑しながら、水筒を手にしてみれば中身を飲み下して行く。

ゴクリゴクリと、喉が上下して口から零れ落ちた雫が顎を伝い胸元へと落ちて行った。

「ま、その前に掃除しておかないと」

邪魔な上着を脱げば、引き絞られた肉体が覗く。鍛錬に鍛錬を重ねた鋼のような肉体。それは、力強くだが大神自身のように優しくもある。

大神は、小声ででやーと言いながら床を清掃すると刀と上着を手に風呂場へと向かう。

そうして、明かりを消され鍛錬所に静寂が戻った。

それは、毎夜の事だと言う。

 

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