「一緒に酒と」
蒼作
加山→大神
大神さんは素敵だな~。ってお話
※ 月花注意
蒼作
加山→大神
大神さんは素敵だな~。ってお話
※ 月花注意
ノック音が聞こえた気がした。
ふと振り返って扉を見てから、時計へと目をやった。
深夜だ。誰が訪ねてくる時間でもない。
気のせいだと思い作業に戻ろうと机に向かい直すと、またノック音が聞こえた。
今度は気のせいでは無いようで、首を傾げながら立ち上がる。
「いったい誰だ?こんな時間に…。はい、今開けるよ」
扉を開けた其処には珍しい姿。
少々驚きに動きを止める。
「いよぅっ、大神ぃ~♪」
ひらひらと手を振りながら何時もの様に其処に居るのは加山だった。
「大神?」
どしたーと大神の目の前で手をひらひらさせた加山の手を、少し鬱陶しそうに大神は払って取り敢えず部屋へ入れと加山を促す。
こんな時間に五月蠅くしては皆に申し訳ない。
「お前が普通にドアから現れて驚いただけだ。で?何か様か?」
さっさと椅子に座った大神が、苦笑気味に加山を見やる。
加山は断りを入れずにベッドへと腰を下ろすと、じゃじゃーんと言いながら何処から取り出したのか、一升瓶と猪口を二つ。
「いやぁ、たまに普通に現れて、普通にお前と酒を交わすのも良いかとおもってなぁ」
どうだといいながら、さっさとテーブルに猪口を置いて酒を注ぐ。
「それとも、そっちを手伝って欲しいか?あぁ、俺より花組の誰かがいいか?ん?」
加山は意地悪そうにニヤリと笑いからかいながら顎で大神の机に広げた書類を示す。
「あのなぁ。これは俺以外に任せるつもりはないんだ。まぁ、いい。酒、少しなら付き合ってやる」
「だろうな。まったく、人の好意を無駄にする奴だ」
笑いながらほらと猪口を大神へと渡す。
加山は窓辺へと歩んでから軽く猪口を掲げ。
「良い月夜に乾杯」
軽く猪口を合わせて二人はぐいっと酒を飲み干した。
「くぅっ!染みるっ。酒とは故人曰わく百薬の長と言うからなぁ。どうだぁ、大神ぃ♪」
次を、大神の分も酒を注ぎ加山は笑う。
大神は少し笑ってから注がれた酒を軽く啜り加山を見やる。
「酒は百毒の長とも言うがな」
「そりゃ、米田さん程呑んだらだろ?」
顔を見合わせ、思わず二人で吹き出した。
そうやって、暫く他愛のない話をしながら酒を酌み交わす。
「さて、そろそろ書類を片付けたいから帰れ」
大神が何杯目かの酒を飲み干した後、猪口をテーブルに置いてからしっしと手を振った。
「酷いなぁ、大神ぃ。もう少し付き合えよ~」
ちびちびと酒を口にしながら加山は恨めしげに大神を見るが、大神は知った事ではないと加山に背を向けて机に向かう。
「そろそろ帰って貰わないと、折角休息をくれたのが無駄になるぞ」
「う゛……」
どうやら、大神に読まれていたようで加山は苦い笑顔を零した。
こう言われたのであれば、素直に従うしかない。
加山は渋々と酒と猪口を手に扉へと向かう。
「ま、あんま無理すんなよ?じゃな~」
大神はそんな加山に振り返る事無くひらりと手を振った。
加山は静かに扉を閉めてから、その扉に背を預けた。
「いやぁ、バレてたか……」
ははと笑って頭を掻く。
背中には人の温もりがない木のドア。
けれど、室内に居る部屋の主の温もりが届いている気がする。
「まったく、ホントああ言うのを良い男って言うんだよな」
ずりずりとしゃがみこみ、頭を抱える。
「ヤベ、格好いい……」
だはーと溜め息をついてから笑みを浮かべた。
「惚れ直すぜ~♪」
そうして、すっくと立ち上がりスキップしながら深夜の闇に消えて行く。
空気はそろそろ温かくなってきていた――。
ふと振り返って扉を見てから、時計へと目をやった。
深夜だ。誰が訪ねてくる時間でもない。
気のせいだと思い作業に戻ろうと机に向かい直すと、またノック音が聞こえた。
今度は気のせいでは無いようで、首を傾げながら立ち上がる。
「いったい誰だ?こんな時間に…。はい、今開けるよ」
扉を開けた其処には珍しい姿。
少々驚きに動きを止める。
「いよぅっ、大神ぃ~♪」
ひらひらと手を振りながら何時もの様に其処に居るのは加山だった。
「大神?」
どしたーと大神の目の前で手をひらひらさせた加山の手を、少し鬱陶しそうに大神は払って取り敢えず部屋へ入れと加山を促す。
こんな時間に五月蠅くしては皆に申し訳ない。
「お前が普通にドアから現れて驚いただけだ。で?何か様か?」
さっさと椅子に座った大神が、苦笑気味に加山を見やる。
加山は断りを入れずにベッドへと腰を下ろすと、じゃじゃーんと言いながら何処から取り出したのか、一升瓶と猪口を二つ。
「いやぁ、たまに普通に現れて、普通にお前と酒を交わすのも良いかとおもってなぁ」
どうだといいながら、さっさとテーブルに猪口を置いて酒を注ぐ。
「それとも、そっちを手伝って欲しいか?あぁ、俺より花組の誰かがいいか?ん?」
加山は意地悪そうにニヤリと笑いからかいながら顎で大神の机に広げた書類を示す。
「あのなぁ。これは俺以外に任せるつもりはないんだ。まぁ、いい。酒、少しなら付き合ってやる」
「だろうな。まったく、人の好意を無駄にする奴だ」
笑いながらほらと猪口を大神へと渡す。
加山は窓辺へと歩んでから軽く猪口を掲げ。
「良い月夜に乾杯」
軽く猪口を合わせて二人はぐいっと酒を飲み干した。
「くぅっ!染みるっ。酒とは故人曰わく百薬の長と言うからなぁ。どうだぁ、大神ぃ♪」
次を、大神の分も酒を注ぎ加山は笑う。
大神は少し笑ってから注がれた酒を軽く啜り加山を見やる。
「酒は百毒の長とも言うがな」
「そりゃ、米田さん程呑んだらだろ?」
顔を見合わせ、思わず二人で吹き出した。
そうやって、暫く他愛のない話をしながら酒を酌み交わす。
「さて、そろそろ書類を片付けたいから帰れ」
大神が何杯目かの酒を飲み干した後、猪口をテーブルに置いてからしっしと手を振った。
「酷いなぁ、大神ぃ。もう少し付き合えよ~」
ちびちびと酒を口にしながら加山は恨めしげに大神を見るが、大神は知った事ではないと加山に背を向けて机に向かう。
「そろそろ帰って貰わないと、折角休息をくれたのが無駄になるぞ」
「う゛……」
どうやら、大神に読まれていたようで加山は苦い笑顔を零した。
こう言われたのであれば、素直に従うしかない。
加山は渋々と酒と猪口を手に扉へと向かう。
「ま、あんま無理すんなよ?じゃな~」
大神はそんな加山に振り返る事無くひらりと手を振った。
加山は静かに扉を閉めてから、その扉に背を預けた。
「いやぁ、バレてたか……」
ははと笑って頭を掻く。
背中には人の温もりがない木のドア。
けれど、室内に居る部屋の主の温もりが届いている気がする。
「まったく、ホントああ言うのを良い男って言うんだよな」
ずりずりとしゃがみこみ、頭を抱える。
「ヤベ、格好いい……」
だはーと溜め息をついてから笑みを浮かべた。
「惚れ直すぜ~♪」
そうして、すっくと立ち上がりスキップしながら深夜の闇に消えて行く。
空気はそろそろ温かくなってきていた――。
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