12[きみと共有するものは、空気とことばと、それともう一つ]
カンナ
蒼作
カンナ
蒼作
「あぁ、すっげぇ気持ち良い空だ」
頭の後ろで腕を組んで脚を投げ出し寝そべる。
そこは帝劇の屋根。
カンナは満面の笑みを浮かべ空を見上げていた。
「へへっ、隊長も。この空の下でがんばってんのかな」
青空に、大神の顔を写し出してカンナは笑った。
「あたいも、あたいに出来る事を力の限りにがんばるぜっ。だから、隊長もがんばれよな」
ひょいっと上半身を起こし、右手を伸ばして空を掴む。そして、にっと笑った。「カンナさんっ!何処ですの!」
下から、声が聞こえた。
カンナは苦笑いを零し、空へ背を向け窓を潜る。
「へいへい、此処だよーっと」
階下に下りる前に、振り返り青空を見た。そうしてカンナは屋根裏部屋を後にする。
[きみと共有するものは、空気とことばと、それともう一つ]
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