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 「妖艶の夜」
大神×ロベリア

ベットシーンのお話(回りくどい言い方はやめます)
R16くらい?自己責任でお願いします。


蒼作

 「妖艶の夜」

 

暗い部屋に篭る熱。

妖艶な喘ぎ声と、力強い呼気が響く。

シーツの擦れる音と、ベッドの軋む音。

何時しか、声と呼気が重なって小さなメロディーを奏でた。

「っは―――!」

より高い音色が響き渡ると、何時しかその部屋には荒い呼気だけが残った。

暫くすれば、その荒い呼気も消え室内を静寂が満たす。

「っの、体力馬鹿」

気だるそうに声を発したのは、銀髪の女。白く滑らかな肌は、今は薄くピンクに染まり熱を帯びている。覗く胸や腹部には、声を掛けた相手に付けられたのだろう赤い愛の証。

「ん、それも取り得の一つなんだ」

くすと、可笑しそうに答える男の逞しい腕には銀髪の女の頭が乗せられている。男は、愛しそうに女の頬を撫でて、唇を親指でなぞった。

「っち。そんな取り得なんぞ、捨てちまいな。こっちの身が持たないっての」

何だかんだ文句を言いつつも、女は男の胸に猫のように擦りより、焦らすように離れる。

「それを分かってて、ロベリアは俺の相手をしてるんだろ?」

ちょっと、勝ち誇ったように笑みを浮かべるのは、大神一郎、その人。

ロベリアは、何言ってんだと鼻で笑い身を起こす。

火照った身体は徐々に冷え、室内の冷たさに僅かに身を震わせた。

すると、後ろからシーツを被せられた。

「うわっぷっ!何すんだっ」

文句を言うも、シーツは振り払わず振り返る。

「裸じゃ、風邪引くだろ?それとも、こっち、戻ってくるか?」

ぽむぽむと、今までロベリアが眠っていた場所を手で叩く。嬉しそうな笑みは、珍しく主導権をそちらが握って居る所為か。

「………ふんっ。水、あんたもいるだろ?」

シーツで身を包み立ち上がり、相手の動きを無視して簡易キッチンへと向かうロベリア。

大神は、その後ろ姿を眺めながら、うんと頷いた。

キッチンの方から少し、何かを探す音。そんな音が消えてから、水音がして、少ししてからロベリアが戻ってきた。

カーテンがしてあるとは言え、薄いそれは外からの灯りを僅かに室内へと入れる。その灯りに照らし出されたロベリアの銀髪は、時に空に在る月が見せるその色に見えた。そして、身に纏うシーツは白いドレス。今度、本当のドレスを買って送ってみようと大神はその時心に決めた。

「あんたね、アタシが来るって分かってんなら酒でも用意しとけっての」

コップを持ったままギシリとベッドを軋ませ腰を下ろす。

ホント、水しかないってどういうことだいと言いつつ、水を一口、口に含み飲み込んだ。ごくりと水が喉を通って行く様を大神は眺めた。それだけの動作なのに、嫌に神経を擽る。

「あぁ、すまない。前のが残ってると思ったんだが、無くってね」

感覚に押し流されぬ様、大神は自信を保ちひょいと肩を竦める。そしれから、何かを思いついたような顔をして口を開いた。

「それ以前に、キミを酔わせるのは、俺だけで良い。と思ってさ」

「………アンタ、馬鹿だろ」

何言ってんだかと大仰に肩を竦めて見せるロベリアに、大神は少し恥かしかったのか、照れ隠しにたははと笑って見せた。

「それに、アタシはね。酔わされるより、酔わす方が向いてんだよ」

そう言ってロベリアは、口に水を含み振り返り大神の頭を掴んで引き寄せた。

深いキス。水を相手の口へと流し込み、舌を絡ませる。相手の歯をなぞり、もう一度舌を絡ませれば、ゆっくりとロベリアは顔を離した。

「―――っふ」

大神は、移された水を飲み込み空気を求め大きく息を吸った。

口の端から漏れ出た水か滴り落ちる。ロベリアはそれを親指で拭って、ぺろりと艶かしい舌で舐めとった。妖艶な瞳が光る。

「今度は、アタシの番だ。アタシが、アンタを酔わせてやるよ」

シーツを剥ぎ取り、裸体が淡い光に照らされた。

「……それは、楽しみだ」

負けじと大神は悪そうに笑って見せたが、それがぎこちないのは鼻で笑って流してしまう。

そして、また深い口付け。互いに互いを求め合い、そのキスは深く長い。時折、空気を求めて唇を離すが、それもまた直ぐに互いの口で塞がれる。

どちらともなく、唇を離した。銀糸が2人を繋ぎ、消えた。荒い呼気が静かだった室内に響く。

ロベリアは、大神の上半身を乱暴に押してベッドへと押し倒した。そして、その上に馬乗りになり、楽しげに微笑む。

「さ、覚悟しな。隊長」

ニヤリと笑うロベリアの表情に大神は見惚れ、一度獣のように吼えた。

そして、2人の夜は、もう一度始まった―――。

 

 

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