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「背を護る風が‏」
曹操+SR夏候惇+SR夏候淵

手合わせのお話
白がネタを出し、散々お願いして蒼に描いてもらったもの(笑)


蒼作

「背を護る風が‏」




青い空の下。
広い庭の一角から鋼が打ち合わされる音が響いている。

「おぉらあー!」
「はぁっ!」

男が2人。長大な武器を振るい打ち合わせ、対峙する。
手合い。というよりも本気の死合いと言った方が良い程、その一撃一撃が、重く、強く、必殺であった。
それを、もうどれほど続けているのだろうか。2人をあずまやの階段に腰掛け眺める男が溜め息を吐く。
片膝に付いた頬杖をそのままに、呆れた様に声を掛けた。

「お前達、いい加減にしておけ。忘れてはいないだろうな?言っておくが、これから戦だぞ?」

全力で打ち合っている2人、夏候惇と夏候淵へとその男―曹操はまた溜め息を吐き出して見せた。

「わかっておるわ!孟徳!なぁに、こんなもの俺と惇にとっては、一運動だ!」

盛大に笑いながら夏候淵が、曹操へと答えた。それを見た夏候惇が一歩踏み込む。

「ふんっ!」

頭を振って、左眼を隠す角で夏候淵の左眼を狙う。
鋭い角の切っ先が、夏候淵の眼を貫こうかという寸前。

「うおぁっ!?」

顔を逸らして何とか事なきを得る。

「あっ!危ねぇじゃねえかっ!?惇!!」

ゆっくりと顔を起こしながら口の端で笑っている夏候惇に夏候淵はあわあわと文句を言う。
そんな文句を浴びせられながらも、夏候惇はどこ吹く風。

「手合い中に余所に注意を奪われる方が悪い。戦場ではこうはいかんぞ?ともあれ、今回も俺の勝ちだな」

手合いは終わりだとばかりに武器を下ろし、歩きだす夏候惇。

「まじかよっ!?ちょっ、惇~」

慌てて自分も武器を下ろして夏候淵は夏候惇を追いかける。
そんな2人を眺め続けている曹操は、しょうがない奴らだと喉を震わせ笑うのだった。

「さて!」

パンッと膝を叩き曹操はひとしきり笑うと立ち上がった。
そうして、側に佇んだ夏候惇、夏候淵を見やる。

「行くぞ!」

ザッと腰に剣を挿せば曹操は2人に背を向け歩き出す。

「我らが居れば、どんな戦も勝ち戦よ!」

夏候惇が歩き出した背に強く告げる。

「任せろ!俺等は百人力よ!」

ドンと夏候淵が胸を叩いた。
曹操は2人に背を向けたまま笑った。声は立てずにけれど盛大に笑った。
何と心強い事か。
2人が居れば背に心配は無い。
そう、前に進むだけで良いのだ。
曹操は不意に吹いた風に瞳を細めた。
天は我に味方せり。
そうして、兵達の前に出る前に背後の会話に口を挟んのだった――。

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