「自己嫌悪は時を越えて」
新次郎
17[溢れ出てくるのはどろどろとした醜い感情]
黄緑作
新次郎
17[溢れ出てくるのはどろどろとした醜い感情]
黄緑作
自己嫌悪は時を越えて
過去を思い出すたびに思う。
「何故」と。
だって、神に仕える身だったのに。
人々を希望で照らすべき存在だったのに。
奇跡を誰よりも信じなきゃいけない存在だったのに。
諦めてしまった。
希望を。
そして、一人の命と大勢の命とを天秤にかけ、彼女を切り捨てた。
彼女の事を好きだったくせに。
大切にしてた神の教えに背いても、それでも彼女の事を好きだったくせに。
何故?何故?何故?!
諦めなければ、他にも道があったかもしれないのに。
生きていれば、何か変わったかもしれないのに。
そう思うと、やりきれない。
かつて自分であった人と、その思い人を思うたびに「何故」という言葉と負の感情が溢れる。
あぁ、僕はきっと。
この世で一番聖が嫌いだ。
[溢れ出てくるのはどろどろとした醜い感情]
聖が犯した罪の重さを、僕は決して忘れない。
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