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「時には貴方に花束を」
大神×ロベリア

クリスマスのお話

蒼作

「時には貴方に花束を」

部屋のベッドの上に、薔薇の花束があった。
別に何があるでもない部屋。鍵も掛けずに部屋を留守にする事もある。そして、今日はそ
んな日だった。
だが、部屋を留守にしたのは僅かな間。そんな合間にこの部屋を訪れる奴が居たようだ。
ベッドへ警戒もなく歩み寄り、薔薇の花束を掴み上げた。
水滴が飛んだ。
そういえば、今日は朝から小雨が降っている。
花束にはカードも無く、誰からの物かも解らない。
はずなのだが、ロベリアは淡く笑い、薔薇の花びらに付いている水滴を舐め取った。
「ハンッ。柄にもない事をしやがる」
でも、どこか嬉しそう。
ロベリアは花束を肩に抱え上げると、まだシャノワール内に居るであろう濡れ鼠の彼の元
へと向いだす。
今日は素直になってやろう。
なんたって、X'masなんだから。





バサリ―――
ベッドに真紅の薔薇が投げ出された。
「アンタへのX'masプレゼントだ」
ニヤリと笑うその表情は妖艶で。
力任せに引かれたネクタイ。
ふわりと鼻腔に届く甘い香り。
そして、一瞬で奪われた唇。
息を吸うのも忘れる程の深い口付けが交わされて。
名残惜しそうに唇が離れれば、視野に掠る銀糸。
いつの間にかカノジョは窓の外。
「じゃあな」
残ったのは、薔薇の花束と香り。
盗まれたのは俺の心。
泥棒は、薔薇の香り――。

2006.12.24

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