「戦へ」
大喬
~へシリーズ②
蒼作
大喬
~へシリーズ②
蒼作
あれから、どれくらいの時が経ったでしょうか?
貴方は今、どうしているのでしょう?
「戦へ」
蒼い空を見上げた。
天が何処までも続く。
そこに、貴方は居るのですか?
貴方の笑顔と言葉を胸に、前へ進んでいます。
幾度も泣いて、幾度も貴方の後を追おうとしましたが、止めました。
そんな事をしたら、貴方に怒られてしまうでしょうから。
だから、私は此処でなすべき事をします。
貴方に頑張ったなと笑顔で迎えてもらう為に。
大好きな貴方が、大切な貴方が、やり残した事。
私が代わりにとはおこがましいですが、少しの手助けでもできるように。
貴方がくれた愛を抱いて。
大地に居並ぶ軍を眼に前方に展開している敵軍をみやる。
風が吹いた。
「全軍前へ!」
周瑜の声が静かに朗々と響いた。
それから、周瑜は何も言わずに大喬をみやる。 大喬が力強く答えた。
「行きます」
ザッ――!
前に出る。
「この戦いに勝利を――」
空を見上げ、言の葉が天に昇る。
――なぁに、怖い事はねぇ。
俺が、護ってやるよ。
そう、孫策が笑った気がした。
大喬は、はいと頷いて戦場へと身を晒す。
全ては、夫、孫策の為に――。
2007.08.10
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